†Side†アキ

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「…ヤダ!嘘!本気?」 「俺の相方…遂に見つけましたってな?どーよ???」 「絶対に絶対にヤダ!!!冗談じゃないわよ!!!」 けど翼は手を繋いだまま、走っていく。 俺のショートウルフの淡い茶髪と、翼のショートカットのダークブラウンの髪が風に揺れる。 校内を、手を繋いで駆けていく二人の事は、こうして入学初日から、北高中に広がるビッグニュースになった。 何か俺のファンクラブ(俺は全く存在すら知らなかった)の女子はあーだこーだ言ってたらしーが、翼の中性的な少年ぽいルックスが、受けたらしく、何も揉め事にはならなかった…みたい。 寧ろ「北高のタッキー&翼」として歓迎されたみたいだ。 そうして、俺と翼の高校生活は幕を開けた。 ††† 「翼ぁ~」 休み時間、沢山の女子の声。 「…何?」 怪訝な表情を浮かべながら、次の時間割りの教科書やノートを準備してる翼を女子達が取り囲む。 「一緒に写メ…撮ってもいい?」 「いいけど…何それ?どういう事??」 「まぁ、真ん中に!カメラあっちあっち!!!」 パチリと撮る。 他の女子がバカチョンでもパチパチ撮っている。 翼はキョトンとしている。 「翼!」 「何?知念君。」 「アキって呼べよぉ!翼!!!」 「何で呼び捨て強要すんの?マジ意味解らないんだけど?」 「お前は俺の連れだから!!!」 「何それ…あんたの連れなんかなった覚えないんですけど???」 そうやってキッと睨みつけても、俺は全然動じない。 終いには呆れ顔で翼は俺を見つめる。 「どーだった?健康診断!!!結果出たんだよな???」 「また嫌な質問…最低、最悪。」 「身長…伸びた???俺さー百七十乗ったよ!!!」 翼はそんな俺を見て、皮肉な笑みを浮かべる。 「残念ね。こっちも伸びました。百七十七よ。」 「うっそー!!!俺、百七十二…」 「まだまだね…」 皮肉で歪んだ笑みを零す翼。
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