第壱章

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「にしても妙な着物着てんな。何処のもんだ?」 いやいや、何処のもんってここが何処だかを知りたいです。はい。 右目に眼帯、腰に六刀もある男。 知っているような……いや、やはり知らない。 一度見たら忘れることはないだろう。こんなに印象的な人なのだから。 「何処の者でもないと思いますけど……というかここは何処なんでしょうね?」 「さぁな」 なんと!! 即答で返って来た答えは知らないって? 「どういうことでしょう?」 「なんせ辺りは暗いからな。迷った」 ま、迷った?! 余り信じたくはないですが…まぁ一様似たもの同士ということで…; 「ま、それなら朝まで動かないほうがいいかもしれないですね」 「そうだな。にしても突然気配がしたが、お前忍か?」 いきなり警戒されたような気がするのは気のせいですか? 辺りは暗いが、なんせこの距離。 暗闇に慣れた目ならば相手の表情くらいなんとなく見える。  
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