第壱章

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    忍とな。今の時代に忍なぞいたとは驚きだ。 その前に自分の格好を見て見ろよ、と言ってあげたい。 あげたいが、言えない。 なんだか言ったら話しがややこしくなりそうだからな。 「忍ではないです」 正直に言ってみたけれど、やはり相手は納得している風ではなかった。 「……まぁいい。敵じゃないなら気ぃ張ってるのも変だな」 なんとなく、目の前の男が微笑んだ気がした。 「Your name?」 あれ?また英語ですか? なんとも突っ込み所の多い人だ。 日本語で話していたら次の瞬間には英語で話しかけてくるとは。 いや、その前に、英語でないと会話が成立たなくなるのだろうか? 相手が英語な以上、こちらも英語でないと話しが通じないのでは? 「……My name is Hiyoi…?」 英語は正直自信がない。 だから最後は疑問系になってしまったが、一様通じただろうか? そんな思いで外国人か日本人かよくわからない男を恐る恐る伺い見る。  
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