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「かおる先輩、俺が一番可哀相だよね?バラされて」
「ちなちゃんが可哀相。さとし君は何であれだけケンカしてもまだ合コン行くわけ?」
「運命の女を探しに…」
「かっこよくないから」
今度は私がさとしを叩く、というより強めに殴った。
この4人でよくこうやって話しをする。
さとしが私たちの関係を知ってるのは、マヤくんも知っているから何も知らないのはかおるさんだけだ。
「ははっ」
乾いた笑いが漏れた。
私以外の3人は、さとしの合コンの話しなんて忘れたように全く違う話題で盛り上がっている。
「ちな?ちなみ…?」
さとしの声で我に変える。
「あ、ごめん」
一人で軽い妄想に入っていた。
そんな私の頭をさとしがグシャッと撫でた。
「すいません、先輩。千波、腹減ったみたいなんで先に行きます」
「あぁ、またな」
「はい」
マヤくんとかおるさんに手を振ってその場を離れた。
きっと、マヤくんは私がお腹なんて減っていないことに気が付いてる。
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