48人が本棚に入れています
本棚に追加
エレベーターで一階まで降りると、かおるさんと鉢合わせした。
「あ、ちなちゃんおはよう」
「かおるさん、おはようございます。あ、マヤくんならまだ髪のセット中ですよ?」
「ほんとに?モーニングコールにも出ないから迎えに来てやったのに」
「ドアの前通ったら鼻歌とドライヤーの音がしてました、隊長っ!」
「ご苦労でした、ちな隊員」
あはは、と笑いながら私はマンションの外へ。
かおるさんはエレベーターで7階に上がって行った。
「モーニングコールねぇ…」
小さな声で呟く。
朝かかってきたモーニングコールはマヤくんが起きないように私が切った。
私とマヤくんは幼馴染みだ。
私の家とマヤくんの家は隣り同士で、ずっとマヤくんは私のすべてだった。
「4年目かぁ」
独り言のつもりだったのに、
「不毛な関係が?」
「さとし…」
「そうじゃないとしたら、何が4年?」
「マヤくんとかおるさん」
「あぁ、なるほど」
と、とても満足そうな顔をしたこいつは、私の元カレ。
最初のコメントを投稿しよう!