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「彼女とか、いらないの?」
「お前でいっぱいいっぱいだからいらない」
「…告白?」
「絶対ないわ」
「一応、元カノなんですけど」
一回付き合って別れても尚、友だちでいれるのはさとしの優しさと、色々なことがあったからだと思う。
その色々なこと、というのがどんなことなのかは秘密にしておこう。
「もう良いから、早く行くぞ」
「はぁい…」
さとしに手を引かれて、大学の門をくぐった。
マヤくんとの関係について、深くは考えないようにしている。
それは、一緒にいてくれるさとしに申し訳ないし、深く考えてしまうと落ち込みそうだから。
「ちなみちゃん」
「え?」
「俺、このまま用事あるからB邸行くけどどうする?」
B邸とは、うちの大学のサボり場。
というか、私たちが入っているサークルが使っている部屋の別名だ。
「私も行く」
「寂しい?」
「そんなんじゃないよ」
確かに、マヤくんとエッチした次の日は無償に寂しくなる。
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