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私の彼氏は馬鹿だ。
どうしようもない馬鹿。
そんな馬鹿を愛してしまった私は、もっと馬鹿かもしれない。
「…なんで逃げたの?」
「追われたから」
「けど、関係ないんだよね?」
「うん」
うん、じゃねえよ、馬鹿。
彼氏は今入院中。
彼氏の前を歩いていた不良軍団を捕まえようと追いかけて来た警察から、何故か逃げて階段から転げ落ち、全治2週間の怪我。
「馬鹿なんだから。警察の人にも言われちゃったじゃない!!なんかやましい気持ちがあったから逃げたんじゃないのかって」
「そんなのないよ」
「分かってるわよ。だからそんなことありませんって答えましたっ!!」
馬鹿すぎて嫌になる。
馬鹿なくせにプレイボーイだから、もっと嫌になる。
彼女がいるのに、女の子がさっきから何人も入って来てお見舞いの言葉を述べて帰って行く。
「…申し訳ないと思わないの?」
「なにが」
「私に」
「なんで?」
本当に嫌。
病院に運ばれたと聞いて一晩中、涙が止まらないくらい心配したなんて絶対に知られたくないと思った。
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