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「なんで毎日行くなんて言ったんだろ」
「知らねえよ」
「あ~、由貴くん今何してるかな?」
「知らねえ」
晴矢は私の話しが嫌になったのか飽きたのか、テレビゲームを始めてしまった。
「晴矢く~ん」
「キモいわ」
「ヒドッ」
思えば晴矢とは小学生のころから一緒にいる。
高校は別だったけれど、遊び仲間だったから放課後は毎日と言って良いほど会っていた。
「晴矢」
「何?」
「私、晴矢と家が近所で良かった」
「意味分かんねぇ」
チラッとこっちを確認した晴矢はまたテレビ画面へと目線を移す。
「今日ご飯何かな」
「食って帰る気かよ。図々しっ」
「図々しいついでに家まで送ってね」
「…8軒先へか?」
「3軒目あたりで私が殺されでもしたら、後味悪いの晴矢だけどね」
晴矢はゲームを一時中断して、私の顔を見る。
いきなりデコピンして来て一言。
「もし殺されたら、ちゃんと挨拶する良い子だったって言ってやるよ」
そしてゲームを再開。
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