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「めっちゃ久々なんですけど」
「そうだね」
「俺、見舞いたいとか言ったか?」
「……えへ」
「何がエヘッだよ。アホが」
晴矢に後頭部を思い切り殴られた。
自然と涙目になり、晴矢を思い切り睨む。
「すいませんでした!!」
「態度と言葉がマッチしてねえけどな」
「…この鬼畜野郎」
「誰が鬼畜だ。ドSと呼べ、ドSと」
病室の前に到着。
晴矢はチラッと私を見てきた。
晴矢と由貴くんが会うのは本当に久々のことで、何故か私がついてしまった嘘のつじつまを合わせるために今、晴矢はここにいる。
「ごめんね、よろしく」
「はいはい」
それでも、結局晴矢は私に付き合ってくれる。
悪いとは思いつつも、晴矢に甘えることをやめられない私。
「由貴くん、来たよ~」
珍しく閉まっていた扉を開けて中に入る。
私は、身動きができなかった。
変わりに隣りにいたはずの晴矢が由貴くんの胸倉を掴み、思いきり殴った。
それでも私は身動きできずにいる。
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