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「…彼女は私なのに、今付き合ってるのは私なのに。…由貴くんにフラれるのが怖いの」
また涙が出そうになった。
「入って良い?」
「うん」
家の前では話し込めないと思ったんだろう。
約1年ぶりに晴矢が我が家に入る。
晴矢は冷蔵庫を勝手に開けて、ウーロン茶を出して私に手渡す。
そのままリビングに座り、晴矢は私を見つめた。
「もう別れれば?」
「え…?」
「お前さ、なんで付き合ってんの?」
「好きだから…」
「こんなに辛くて、美帆らしくなく我慢しまくって、嘘の笑顔振りまいてまでの価値はあんの?」
晴矢はウーロン茶をゴクゴク飲む。
そういえば、お昼ご飯も食べていない。
「価値…」
「あいつの心はお前にはない。その上、何年も前に別れた元カノと今もまだ続いてる」
由貴くんと沙織さんが付き合っていたのは高校生のときのことで、約1年半付き合ったらしい。
私と由貴くんが付き合いだしたのが由貴くんが高校3年生の12月始め。
考えればもう、由貴くんと付き合って3年になる。
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