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あまりにも簡単すぎて、拍子抜けしてしまうような感じ。
言ってしまえば、こんなに軽くて簡単な言葉だ。
「良いんだな?」
「うん。明日、病院に行ってちゃんとさよならしてくる」
「ついて行こうか?」
「大丈夫。明日は桃子ちゃんと待ってて。久しぶりに会いたくなっちゃったよ」
晴矢と桃子ちゃんに慰めてもらえれば、すぐに立ち直れそうな気がする。
晴矢はあれにしろ、桃子ちゃんの癒しオーラに久々に触れたい。
「分かった。桃に連絡しとくよ」
そして、いつになく優しい晴矢に心の中で感謝する。
側にいてくれてありがとう。
本当に幼なじみで良かったと思った。
次の日、私はいつもの時間にいつものように病院に向かう。
きっと、今日は沙織さんはいないだろう。
由貴くんは言い訳するだろうか?
別れようって言われる前に言ってやろう。
色々決意を決めて、私は病室に入る。
「由貴くん、来たよ」
「美帆…」
「はい。飴と雑誌と、今日は特別にマフラー」
いつものように。
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