143人が本棚に入れています
本棚に追加
木の葉が舞っていた。
まだ秋には早い時期なのに―そんな事を思いながら七海は屋上からの景色を眺めていた。
今はお昼休み。
先程までいた友人は用事があると言って行ってしまった。
まだ十分にある時間をどうやって潰そうか、悩んでいるところだ。
「でさ~」
そんな事を思っていると屋上のドアの向こうから声が聞こえる。
七海は反射的に物陰に隠れていた。
ドアが開く音がする。
「~だったんだぜ?ひどいだろぃ?」
七海のいる位置からは人影はよく見えず、体を捻らせて見えたのはワカメ頭の人だ。その顔には見覚えがある。
立海大付属テニス部2年の切原赤也だ。
・
最初のコメントを投稿しよう!