第1章

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浅黒い肌は健康的だけど、ヒゲと髪型がなぁ…ちょっとムサい。 でも、結構モテてるんだって事を僕は知ってる。 残念ながら彼女いない歴がかなり長い事も。 まぁ、それにはちゃんと理由があるんだけど…。 龍司さんにはずっと片想いしてる人がいるんだって。その人は「単」って書いて「ひとえ」って読む、ちょっと変わった名前の人で、高校の1つ先輩で男って事しか知らないけど。 別に、龍司さんの好きな人が同性だからって、嫌悪感とかはない。 だって、僕も同性愛者だから。 昔から女のコは苦手で、好きになる相手は男ばっかりだった。 その恋が叶う事はなかったけどね。 「おい、巴~」 はっと気が付くと、龍司さんは荷物を置いてきてくれたみたいだった。 「なにぼーっとしてるんだ? さ、行くぞ」 どこへ行くんだろ? そう思いながらも、僕は龍司さんの後について歩いた。
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