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「巴。お前はもう帰っていいぞ。遼、巴を送ってってやってくれ」
龍司さんが厨房からひょこっと顔を出した。
僕はちょうど、チキンピラフをたいらげた所だった。
「はいよ」
遼は笑顔でうなずいて、僕を
「早く着替えて来い」って追い立てた。
着替えて出てきた僕を、遼はウェイター姿のまま待っていてくれた。
見送ってくれた単さんにお礼を言って、僕らはクレセントを後にした。
帰り道。
さっきの続きを聞こうかどうしようか迷っていたら、遼が口を開いた。
でも、遼が話したのは他愛ない話で、さっきの続きを話す気配はない。
…僕が気にしすぎかなあ。
そんな事を思っているうちに、アパートに着いてしまった。
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