第3章

8/10
前へ
/58ページ
次へ
「巴。お前はもう帰っていいぞ。遼、巴を送ってってやってくれ」 龍司さんが厨房からひょこっと顔を出した。 僕はちょうど、チキンピラフをたいらげた所だった。 「はいよ」 遼は笑顔でうなずいて、僕を 「早く着替えて来い」って追い立てた。 着替えて出てきた僕を、遼はウェイター姿のまま待っていてくれた。 見送ってくれた単さんにお礼を言って、僕らはクレセントを後にした。 帰り道。 さっきの続きを聞こうかどうしようか迷っていたら、遼が口を開いた。 でも、遼が話したのは他愛ない話で、さっきの続きを話す気配はない。 …僕が気にしすぎかなあ。 そんな事を思っているうちに、アパートに着いてしまった。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

805人が本棚に入れています
本棚に追加