第1章

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「あ、やべ」 しばらく歩いた所で、龍司さんが立ち止まった。 「どうしたの?」 「財布忘れた。わりぃ、先に行っててくれ。このまままっすぐ行って、右側のクレセントって店だから。準備中でもカギ開いてるはずだから、中で待っててくれ」 龍司さんはそう言うと、引き返していった。 まっすぐ行って右…。 まっすぐ行って右…。 そうして歩いていくと、“cafe Cressent”という看板が見えた。 外から見た感じでは広そうには見えないけど、おしゃれな感じだ。 龍司さんの言った通り、ドアには“closed”というプレートがかかっている。 恐る恐るドアを押してみると、鍵はかかっていなかった。
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