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「あ、やべ」
しばらく歩いた所で、龍司さんが立ち止まった。
「どうしたの?」
「財布忘れた。わりぃ、先に行っててくれ。このまままっすぐ行って、右側のクレセントって店だから。準備中でもカギ開いてるはずだから、中で待っててくれ」
龍司さんはそう言うと、引き返していった。
まっすぐ行って右…。
まっすぐ行って右…。
そうして歩いていくと、“cafe Cressent”という看板が見えた。
外から見た感じでは広そうには見えないけど、おしゃれな感じだ。
龍司さんの言った通り、ドアには“closed”というプレートがかかっている。
恐る恐るドアを押してみると、鍵はかかっていなかった。
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