第1章

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「よろしくお願いします」 何とかそれだけ言うと、背後のドアが開く音がした。 「単さん! すいません。遅くなって…」 龍司さんだった。 …やっぱり、彼が「単さん」なんだね。 確かに、龍司さんが好きになるのも納得できるくらい可愛い。 「遅い! 一体何してたんだ?」 そう言ったのは単さんだった。 …あれ? さっきと全然違う。天使のような微笑みもどこへやら。 …先輩、後輩ってこんなもんだっけ? 中学の時は先輩って言っても、友達みたいなもんだったからなぁ…。 …覚えておきます。 「財布忘れて…。すみません。着替えてきます」 龍司さんはカウンターの横のドアに消えていった。
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