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「よろしくお願いします」
何とかそれだけ言うと、背後のドアが開く音がした。
「単さん! すいません。遅くなって…」
龍司さんだった。
…やっぱり、彼が「単さん」なんだね。
確かに、龍司さんが好きになるのも納得できるくらい可愛い。
「遅い! 一体何してたんだ?」
そう言ったのは単さんだった。
…あれ? さっきと全然違う。天使のような微笑みもどこへやら。
…先輩、後輩ってこんなもんだっけ?
中学の時は先輩って言っても、友達みたいなもんだったからなぁ…。
…覚えておきます。
「財布忘れて…。すみません。着替えてきます」
龍司さんはカウンターの横のドアに消えていった。
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