第1章

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「ちょっと待っててね」 そう言うと、単さんもドアの奥へ消えていった。 そして、入れ替わりに背の高い青年が出て来た。 「…キミ誰?」 僕の顔をマジマジと見る。 …この人も綺麗な顔してるなぁ。 身長は180くらいかな。単さんと同じ格好をしている。顔立ちも、ちょっと単さんに似ている気がする。ただ、 単さんより大人っぽい…って言うのも変だけど、20歳くらいに見える。 くっきり二重の瞳が吸い込まれるように綺麗な青で、思わず見蕩れてしまった。 「あ、わりぃ。こういう時は先に名乗らねぇとな。オレはキリサワリョウ。大沢単の従弟。で、キミは?」 「僕は水嶋巴です。水嶋龍司の甥です」 「巴…? よろしくな」 彼は、一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに顔をくしゃくしゃにして笑った。その笑顔が可愛くて、何だかドキドキする。 「…よろしくお願いします」 僕はそう言って頭を下げた。 彼は相変わらずニコニコしていた。 それにしてもこの店、彼といい、単さんといい、龍司さんといい、美形が多すぎる。 普通すぎる僕はどうすりゃいいんだ? そう思った。
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