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「ちょっと待っててね」
そう言うと、単さんもドアの奥へ消えていった。
そして、入れ替わりに背の高い青年が出て来た。
「…キミ誰?」
僕の顔をマジマジと見る。
…この人も綺麗な顔してるなぁ。
身長は180くらいかな。単さんと同じ格好をしている。顔立ちも、ちょっと単さんに似ている気がする。ただ、 単さんより大人っぽい…って言うのも変だけど、20歳くらいに見える。
くっきり二重の瞳が吸い込まれるように綺麗な青で、思わず見蕩れてしまった。
「あ、わりぃ。こういう時は先に名乗らねぇとな。オレはキリサワリョウ。大沢単の従弟。で、キミは?」
「僕は水嶋巴です。水嶋龍司の甥です」
「巴…? よろしくな」
彼は、一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに顔をくしゃくしゃにして笑った。その笑顔が可愛くて、何だかドキドキする。
「…よろしくお願いします」
僕はそう言って頭を下げた。
彼は相変わらずニコニコしていた。
それにしてもこの店、彼といい、単さんといい、龍司さんといい、美形が多すぎる。
普通すぎる僕はどうすりゃいいんだ?
そう思った。
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