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「六花」
祖母が私を呼んだ。
何かと疑問に思って祖母の元へ。
祖母はお母さんのお母さん。
ここに住んでて、何でも知ってる。亀の甲より年の功ってこの事だと思う。
「今日、遊びに行った時、神様に会わなかったかい?」
首を傾げれば、話は続く。
「ここにはね、古くから護り神様がいるんだよ。その神様は何でも願いを叶えてくれるけれど、気分屋で、気に入った人にしか姿を見せないんだそうなんだ」
村の伝承、というやつだろうか。
私には関係無い。
「六花の声が戻るように、神様にお願いしなくちゃね」
無理よ、おばあちゃん。
だって私は異質だもの。
真っ赤な瞳と、それを隠すために無駄に伸びた空色の髪。
神様に気に入られる見た目じゃないの。
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