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帰り道。
お話したいのに黙りこんだままの松田くん。
そう言えば、行きってこんなに時間がかかったっけ?
空気が、重い。
「六花…俺…さ、神様なの」
突然松田くんはそんな事を言い出した。
ビックリして立ち止まれば、松田くんも立ち止まってくれる。
暗闇なのに、松田くんの顔はちゃんと見えて、カッコイイなんてふと現実逃避。
それでもすぐに現実に引き戻される。
「だから、さ。願いを叶える為に一緒にいた。そう言ったらお前、どうする?」
どうするって?
私に…私にどうしろって?
私の想いはどうなるの?
身体が震える。
手を離すまいと強く握る。
それでも力は入らない。
「…今日は送ってやる」
無言のまま、その日は別れた。
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