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とある理由があって声が出なくなった私は、療養の為に祖母の家がある田舎へと訪れていた。 緑の世界。 そこは目に優しいようで厳しい。 私の目には、反射する光が、痛い。 「六花ー。適当に遊んでらっしゃーい」 有無を言わさぬ母の声。 慣れろ、ということだろう。 前髪に触れ、瞳がちゃんと隠れていること確認してから、家に背を向けて歩き出した。
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