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「何でオマエがココに居るんだよ!?」
「あのね、あのね、優しそうなおじちゃんがね、お菓子イ~ッパイくれるってね、ついてきたの!」
あぶない! ウチの妹(中1)はお菓子で簡単に釣れてしまう……
これまで犯罪に巻き込まれなかったのが、不思議でたまらない……
「そんなんで釣られるなよ!? 頼むから……」
親にバレたらたまったもんじゃない……
あいつら、俺のことなんかどうでもいい癖に、妹が俺と一緒に暮らすって言った途端に泣きながら
『それだけは止めてくれ、いつ間違いが起こるか分からんから。起こった後じゃ遅いんだよ! な!?』
って、必至に頼み込むぐらい妹のことを溺愛している奴等だ。
バレたら、殺される位じゃ済まないかもな、うん。
だいたいあいつらは、俺が妹に手を出すとでも思ってるのかね……
俺が親からの恐怖と、怒りに震えていると
「でわ、ついてきてください。屋敷はこちらです。」
と、樟葉さんが歩き出した。
そして俺は、
「なんもされなかったか?」
と、妹に耳打ちをした。妹は、
「え? どうして?」
と、無邪気に答えてくれた。
俺はこれからも、犯罪に巻き込まれないように、と、泣きながら祈った……
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