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「あのぉ…。すみません。」
しびれを切らした刹那は巫女姿をした少女に話しかけた。
「はい?何でしょうか。」
「とりあえず降ろしてくれませんか…。」
刹那はこの間ずっと浮かんだままだったのだ。
「わかりました。それではそのまま動かないでください。」
彼女の指が淡く光ると刹那に向けて指を降ろした。それに応じるように刹那も地面に足を着かせた。
「ありがとうございます…えっと…。」
この子の名前がわからない…。
「私(わたくし)の名前はフィオナ・デル・スフィアと申します。この国の政治と巫女を務めさせてもらってます。これからよろしくお願いします。」
察してくれたのか、自分の名前を述べて、最後にお辞儀をした。
「あちらで騒いでいるのがエルナさん、この国のお姫様です。そしてあちらの優男がカイさん、この国の軍を統率している総統です。…まだ幹部の方々がいるのですがあいにく今は大変な時なので…。」
…この国に何かありそうだなぁ…。
「ボクは仙道 刹那。こちらこそよろしくお願いします。フィオナさん。それといろいろ疑問がありすぎるのですが聞いてもいいですか?」
「フィオナでいいです。いいですが…いけませんねぇ。」
「えっなにがですか…。」
「その敬語です。これから王になるとなれば態度は堂々としていなくては。」
人差し指を立てながら論するように言うフィオナ。
「王?誰がですが?」
立てていた指を自分に向ける…。
じょ、冗談ですよね…?
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