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刹那は後ろを見てみるが泉があるだけだ。
「刹那様しかおりません。ですがこちら側に来たばかりですので知らないのも無理はありません。その事も掻い摘んで後でお話します。…外野がうるさいですねぇ。少々お待ちください…。」
これまで柔らかかった口調が消え、エルナ達の方へ向かうフィオナ。若干、額に青筋が浮かんでいる。
「わかりました…。エルナは子供ではなくて背の小さな大人なんですね。」
「違う!違う!違ーう!!私はこれから成長する大人なだけよ!」
「エルナさぁん…。」
顔は笑っているが目が違う感情を込めたフィオナがエルナに近寄っていく。…恐ろしい人だ…。
ビクッ
「カ、カイは…。」
カイはフィオナの雰囲気にいち早く気づきすでに避難していた。
フィオナは懐からマル秘と書かれた手帳のような物を取り出すとエルナしか聞こえないような声でささやき始めた。
「…なっなんであなたが知ってるのよ!!
…そんなちょっともうやめてよ!
…ごめんなさい。もう騒がないのでやめてください。お願いします。」
いつしかエルナは下を向いたまま静かになった。
「これに懲りたらもっと空気を読むんですね。」
メモ帳をパタンと閉じながら言うと刹那の前へ戻っていった。
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