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水の中で刹那は考えていた。
どうしてだ…なぜボクはこうドジなんだろう…。
森に入った初日はお弁当として持ってきたおにぎりを落として転がって行ったのを追いかけたら結局、穴に落ちちゃうし…。
一昨日は薬草と思って食べた草が実はしびれ草だったり…。
昨日だって木の根に引っかかって転ぶし…
必ず一日に一回は何かある刹那は森に来てからの自分のドジっぷりに頭を悩ませていた。
因みに刹那は武術の一環であった無呼吸運動酸素永循環法を習得しているため悩んでいる間に早十分は経っている。ちなみに刹那の最長記録は十二時間…つまり半日である。
じいちゃんは丸々一日は持ったという。
実際はずるをしていたのだが刹那は知らない…。
こうして考えても仕方ないか…。外にいる誰かさんもボクが消えて油断してるかもしれない。…そろそろ出ようかな。
刹那は何も水の中で自分のドジ体質を悶々と考えていたわけではなかった。自分がいきなり消えれば相手だって何かしら反応はあると考えたからだ。
だがその考えは無駄に消えた。出ようと思い手足を動かそうとしたらいきなり体が陸に向かって浮き出したのだ。
「ゴボッ!?」
なっなんだよこれ!?体が勝手に浮かんでく!?
訳の分からない力に引き寄せられついには泉から出てしまった。
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