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動きが分かるなら、その動きに黒い剣を合わせるだけ。
避けて斬っての繰り返しだ。
「嘘…だろ。」
軍人達は、再び地面に倒れた。
息は、まだある。
また、目が覚めて攻撃されての繰り返しが起こるなら…いっそ。
俺は、黒い剣の先を軍人の首筋に当てた。
少しだけ、力を加えれば…確実に息の根を止められる。
軍人の首筋から僅かに流れる血がそれを物語っていた。
「…無意味だ。
アイツの言う通り、ここは逃げるか。」
今まで苦しめられた。
殺されそうにだってなった。
奴等の鬱憤晴らしの道具になった毎日だって忘れはしない。
殺してやりたい。
その気持ちは嘘じゃない。
だけど…。
繰り返されるなら、殺して終わらせる。
やったから、やり返す。
そんなやりとり…虚しいだけだ。
俺は、黒い剣の先を軍人の首から離す。
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