始まりの夢

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ー? SIDEー 俺が今、見えるのは…白衣のオッサン達に囲まれた一人の男。 室内の光のせいでオッサン達の顔つきは分からない。 真っ白な部屋に、複雑な機器類を見ると…オッサン達は医者か、科学者だろう。 「君達に、力を与えよう…誰もが手に入れる事が出来ない力を。 優れた力を扱うのは、素晴らしい人材が相応しいと思わんかね?」 オッサン達に囲まれていた男は、淡々とそう言った。 一体何をしようとしているか分からないが、普通とは違うことをしようとしているのは俺でもよくわかる。 「いよいよだ。 素材は揃った、この国の未来の為に共に頑張ろうではないか。」 “いよいよ”と言う言葉で、俺の視界は変わっていく。 多分、台車か何かに乗せられているのだろう。 視界が変わっていく瞬間に、とっさに体を動かしたが動かない。 縛られているのか? 動いても動いても視界が変わらない。 「…始めよう。」 低いトーンの声が辺りに響くと、何か開く音がした。 上手く見えないからよく分からないけど、多分…扉だろう。 開かれた扉からは、色んな気配がした。 数多の人の気配と…禍々しい気配。 『オ前モ不運ダナ。 俺ト同ジカ…。』 脳に直接声が聞こえてきた。 エコーがかかっていて、ノイズが酷いせいで性別が判断できない。 突然…怖くなったんだ。 無意識に言葉が出た。 「止めろぉぉぉ!」
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