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ー茶髪の子供 SIDEー
一体、どれくらいの時間が経っただろうか。
俺を逃がさないように取り囲みながら、軍人達は俺に蹴るや殴るの暴行をしている。
体中が熱を帯びたように熱くなり、痛みや感覚がなくなってきた。
「…さぁ、白状しろ!
テロの準備をしようとしていたんじゃないのか!」
男の気がすんだのか、俺の胸ぐらを掴み自分の目元まで持ち上げた。
まるで、脅迫だな…。
さっきまでの暴行は、サウンドバック以外に脅しの意味もあったのか。
ここで“yes”と答えれば、犯罪者にでっち上げられて…最悪の場合、死刑だな。
「…テロの準備をしようとしてるかしてないかなんて、俺自身の身柄を確認したら分かるだろ?
服なのかボロ布か分からない衣類じゃ…爆弾は隠せない。
それに、明日を生き抜く事で精一杯なのにテロを考える余裕なんて俺にはない。」
俺をテロリストにして捕まえる理由なんて見え見えなんだよ。
隠れたテロリストを見つけて捕まえるのは、かなりの実力が欲しい。
実力がともなっていれば…視察の人間も直ぐに帰り、代わりの管轄者もいらないし…代える必要もない。
アイツらは、俺を生け贄にようとしているんだな。
「ならば、何故…ここにいる。
裏路地に爆弾を仕掛けて、爆発に気をとられた隙に作戦を行う。
テロの基本戦略だ。
…餓鬼でも知っている基本情報だよな?」
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