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「…今日の飯になる残飯を物色してたんだ。
お前逹が孤児院に金をロクに渡さないから、孤児院が潰れつつあるのは知っているな?
俺のいた孤児院だってそうだ。
そのせいで、孤児が溢れて…死体まで発見された筈だろ!
それこそ、基本常識なんだよ!!」
孤児院には思い入れもなにもない。
俺達の理解者ぶる妙に優しくする偽善者達が経営していたんだからな。
奴らの愚痴だって、散々聞こえた。
いくら声が小さくても、壁が薄かったら丸聞こえだ。
そんな俺の一言が気に入らないのか、軍人は俺を思いきり叩きつけた。
「クソ餓鬼が…。
餓鬼は黙って大人の言う事を聞けよ。」
俺を叩きつけた軍人は、腰の軍刀〔サーベル〕の右手に握り刃先を俺に向けた。
その軍刀の目には、悪意に満ちた殺気を感じる。
「止めとけ、こんな餓鬼を斬り殺したら…面倒だ。」
流石に他の軍人達が止めに入った。
が、その軍人は他の軍人の軍刀を左手で奪う。
「…お前は、テロリストに唆された子供を説得しようとしたが子供はお前の軍刀を奪い攻撃を始めた。
俺は子供を止めようと仕方がなく交戦したが、誤って子供を殺害してしまった。
…これなら、問題ない。
こっちには、証人のお前らがいるし…アイツは孤児で庇う奴もいない。
…だろ?」
その男の一言で他の軍人達は、辺りに人がいない事を確認するために見回りをした。
…理不尽だ。
なんで俺がこんな目に会わなくちゃ行けない。
…ふざけるな。
俺は、軍人達距離を置いて拳を固める。
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