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「雅也」
清人の声で目が覚めた。
「お願いがあるんだ」
俺の上から体を起こしながら言った。
「何?」
俺もベッドから起き上がった。
「どうせ死ぬんなら、出会った時と同じように、あの場所で死にたい」
「いいよ」
即答した。清人の最後の願いなんだから、聞いてやりたかった。
「ありがとう。じゃあ、行こう」
俺たちはそれぞれ着替えて、外に出る用意をした。
「はい、雅也。これ忘れないで」
清人が渡してくれたコートを羽織って、外に出る。
危ない階段を降りて、アパートの外に出ると、分厚い雲に覆われた空はまだ暗かった。
肩を寄せあうようにして歩いて、公園の噴水の前に到着した。
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