運命の時

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暗い公園には、電灯が灯っていた。 「電気と水道は、何故か通ってるんだよね」 不思議そうにそれを見ていた俺に、清人が笑って言った。 それから 「僕を殺したかったら、水と電気を止めればよかったのにね」 呟いた。 「でも、食料品とか日用品とか、届けてくれる人がいたんだろ。だったら、少しは清人に申し訳ないって思ってくれた人がいたのかもしれないな」 「雅也は優しいね」 清人は笑顔のままだった。 「あ、そうだ。これ、雅也が持ってて」 清人は、ある物を俺の首に掛けてよこした。 …そう。それは、清人が――風呂に入る時は知らないけど――寝る時でも外したことのなかった、あの十字架のペンダントだった。 「これ、大切な物なんだろ?」 俺がそう言うと、 「うん」 とうなずいた。 「でも、雅也が持ってて」 「わかった」 清人は俺を見て満足そうにうなずくと、チラリと空を見て、 「時間だよ」 そう言った。
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