恋をしようよ

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田舎町の喫茶店 そこが いつも俺のバンドのライブの場所… いつも つまらなかった。都会でそこそこのバンドでやっていた俺がどうして 下手くそな連中とクソがき相手に 演奏しなきゃならないのか! 早く終わって 酒飲ませろ!そんなことばっかり考えていた。 バンドのメンバーは がきの頃からの 腐れ縁…酒を呑むには楽しいのだ。あの時もそんなふうにライブをしていた。 でも 客席のなかに 澱んだ空間があった。 なんだ?あの女は?! ありきたりなパンクファション、別段特別じゃない。 しかし 澱んでいるのだ。 手をつっこむと ヘドロまみれになる 溜め池のように 澱んでいるのだ。 ナンシー スパンゲンのイメージといえば分かりやすいか? ライブ中ずっとそこを見ていた。というより 目が離れなくなっていたのだ。 気付いていたのか あの女も 俺を見ている。 女の隣りには 前のライブで知り合った頭のわるい女がいる。 「そうだ!打ち上げに誘おう!」 喰おうとか 無かった。恐い物見たさか? 何故かはいまだに わからない。 とにかく 誘おうと思ったのだ。 そして ライブが終わった瞬間、ホントに最後のベースを引き終わった瞬間 ステージからおり あの澱んだ空間に足を踏み入れた。 これから始まる天国にも地獄にもなる 15年とはしらず… これが ロージーと俺が呼ぶ女と 俺の物語の始まり…
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