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さっきまでとは違ってマジな空気を感じた。
今までに聞いたことのない凄みを聞かせた洋介の一言に、俺はびっくりして手の力を緩めてしまい、再び振り払わされた。
そして洋介の周りに不穏な空気が漂う…
こいつ自身にもかなりの威圧感を感じた。
「そうかよ、俺のいってること何にもわかってくれないかよ…
仕方ないな、それじゃあ残念だけど、死んでもらうわ」
!?
おい、今あいつなんて言った?
死んでもらう?
何をいっているんだ?
なんで殺されなきゃいけないんだよ、しかも洋介に
冗談かとも考えたが洋介は依然マジな顔だった。
こんな顔の洋介は今まで見たことない
…畜生、やってみやがれ
お前なんかに殺されてたまるか
開き直ってそう意気込むと、次に洋介は俺に向かって手を突き出してきた
最初、その行動の意味が全くわからなかった。
俺と洋介の距離は軽く5メートル以上は離れている
手を突き出しても届くはずないし、何かを投げるわけでもない。
いったい何なんだ?
武器を持ってないことを俺に証明したのか?
しかし、それからすぐに違和感に気づいた
洋介が放っている威圧感が更にあがった気がしたのだ
(な、なんだこの嫌な予感は)
思わずその威圧感に押され、後ずさりをして距離をおいた
距離は離れているが何かやってくる…
そう感じた俺は何をしてきても大丈夫なように洋介に構える
来るなら来い!
「本当は俺もこんなことはしたくないんだけどさ、決められたことなんだよね」
急に話し出した洋介、俺に油断を誘っているのか?
「ヒロが少しでもこっちに傾けばまだ可能性はあったのに…いや、でも才能なさそうだしな、やっぱり無理かな…とにかく残念だよ、ばいばい」
なにを言っているのかさっぱりだが、そんな姑息な揺さぶりはきかないぜ?
なにが来てもやられるもんか
そう決断していたが…
洋介が繰り出した行動は俺の予想を一回りも二回りも飛び越えていた。
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