夜二夜

2/2
前へ
/31ページ
次へ
また… 夜になった… 朝はあんなに明るいのに… 夜になると… 暗く、淋しい… また… 見てる… 私を… 見てる… あれ?違う! 今日は一人じゃない! 私のすぐ後ろと、フスマの所に、気配を感じる! スー フスマを開けてみる 何もない… あれ?なんだろ? 見たことのない、鞄がそこにあった。 押し入れから取り出し、開けてみる。 赤い! べっとりとした、赤いモノに包まれた、どろりとした、物体がそこにあった! 赤い塊… そこに視線があった… 正確には、そこにしか視線はなかった 注意は、塊にあった… 誤りだった… もっと、早く気付くべきだった… フスマの中は… 赤黒く染まっていた… 塊は… 手首だった… 何度も、何度も傷つけたあとのある… 手首が… そこにあった… 赤黒い… 鉄のような臭いのする… フスマの中で… その手が… 手招きする…
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加