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「だから神だってば。」
女の子はちょっと膨れっ面だった。
「はいはいわかったよ陽子ちゃん…」
ん…陽子ちゃん?なんで陽子ちゃんなんて読んだ?名前知らないのに…
「あら。よくわかったわね彰くん!」
陽子は嬉しそうだった。
「なんで僕の名前…」
「初めから知ってたよ。中野彰くん、高校3年生、生徒会長、成績優秀、異性にモテモテ、だけれどそういうのには興味はない。」
「…当たっている」
「というよりなんの興味もない、食物、お金、自然、地位、名誉なにも好きではない。」
「…あぁ」
僕は驚いた。当たっている。
僕はなにも要らない。なんとなく学校に行き、ご飯を食べ、人とある程度話し、なんとなく勉強をしトップになり、推薦されなんとなく生徒会長をし…。
すべてなんとなくだった。好きだからやっていたわけではない。
「君は人間じゃないから。」
陽子はさらっと言った
「に…人間じゃない?」
僕は動揺した。確かに…自分が人間だと感じたことはない。いつもなにをしても生きている実感が湧かないからだ。
「君は神なのさ」
陽子は優しく微笑んだ
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