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ところで、他の生徒が自分たちのことで賭けをしていることなど何も知らない2人は、誰もいない中庭で向かい合っていた。
「よし!ここなら誰にも迷惑がかからないだろう…。」
「…別に、俺はてめえさえ叩き潰せばいいんだからな…。てめえも今までの先公共々、この学校から追い出してやるからな!…行くぞ!」
「…来い!」
「…くたばれ!」
―バシッ!
「……何?これはどういうことだよ…。俺の渾身のパンチがあっさりと掴まれるなんて…」
「悪いが…本当のパンチってのはこうやるんだ!」
そう言って、山口が放ったパンチは、沢木の顔面を外したのだが…
「…なんだ。てめえのパンチも大したことはないだろうが……痛っ…。」
「本当のパンチっていうのは、風圧だけでも顔の皮一枚程度なら切ることができるんだ…。さあ!わかったら、これからは大人しく先生の言うことを聞くんだ。」
「…嫌だ!誰が汚い大人の言うことなんか聞いてやるもんか!俺はまだまだいけるぜ!…勝負だ!」
「はあ…仕方ない。一発だけ思いっきり殴らせてやろうではないか…。来い!」
「てめえの余裕綽々な態度が気に入らないんだよ!お望み通り一発で仕留めてやるぜ!」
そう言って、沢木は再び渾身のパンチを放つのであった。
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