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闇夜に現れる、黒いこの姿。
長い漆黒のマントはその身を闇に隠し、誰にも気付かれずに標的へと近付く。
「――…お嬢さん。」
一人で歩く女性は、振り返ってその姿を見た。月に輝く美しい青色の髪を。
「こんな夜更けに、一人で歩いては危ない」
少し怯えているのか、女性は早口で告げる。
「ええ、でももう帰るところだから大丈夫よ」
「いいえ、危ないですよ」
だって。とその青い髪の男は笑う。
「私のような者に見つかっていては」
笑ったその男の口には、長い牙があった。
「きっ…！」
女性が叫ぶよりも早く、その男が喉元に、
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