12人が本棚に入れています
本棚に追加
「いないかなー…警察には会いたくないなー…また職質されたらどうしよう…」
そんなことをぶつぶつ言いながら歩いていると、
「あ、女性発見!」
一人で歩く女性を見つけた。
たまに傾き壁にぶつかり車道に飛び出す女性だが、吸血鬼はあまり気にせず女性に近付いていった。
「そこの人ー。ちょっとお茶しなーい?」
軽く声をかけると、女性が振り返った。酔っぱらっているのか、顔が赤い。
「……私に…」
女性は、姿勢を低くして吸血鬼の懐に潜る。吸血鬼が視線を向けるのと同時に、拳が突き上げられた。
「話しかけんなあぁぁぁああ!!」
アッパーをくらった吸血鬼は、綺麗な流線形を描いて飛んでいった。
「こっちゃ城抜け出して飲んでんだから…さあ次の店行こー!」
女性は、またフラフラと歩いていった。
最初のコメントを投稿しよう!