交渉と思惑

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いまだリリーは面食らっているらしくポカンとした表情だ。 雪斗「貴殿等には当たり前でも出来てない奴等がいて国が潰れそうなのだよ。」 二人の言葉に雪斗は悲し気な表情を浮かべて返した。 その表情を見て国の現状を聞いた二人は、歯をギリギリと食い縛り怒りに耐えているようだ。 雪斗「リリーこいつらを大事にしろよ。忠義が厚い家臣は王の宝だぞ。」 いまな呆けているリリーに雪斗は諭すように告げた。 リリー「…そうじゃの。主等は誠、魔国の宝じゃ。」 雪斗の言葉を聞いたリリーは二人を誉め称えた。 その言葉に二人は歓喜して一族の者にも聞かせてあげたいと涙した。 雪斗「後日種族を集めての話し合いを持つ、その時はリリーを支えてやってくれ。」 そう言うと雪斗は机に両手をつき、机ギリギリまで頭を下げた。 その光景に二人処かリリーやシャウまで目を見開き驚いていた。 リリー「頼りにしている。」 そしてリリーも雪斗に習い二人に同じように頭を下げるのであった。 リリー「これも国の為か…?」 雪斗「そうだ。頭を下げて忠臣を得れるなら安いものだ。」 話が終わり二人が部屋から出て行った後、雪斗とリリーは部屋に残り話をしていた。 雪斗「王とは国の象徴であるが、民の奴隷でもある。」 雪斗の言葉にリリーの眉がピクリと釣り上がった。 雪斗「治世が気に入らなければ民の不満は爆発して、一揆と呼ばれる反乱が起こる。」 雪斗は何故王が民の奴隷と言った理由を話した。 その理由にリリーは納得したのか頷いた。
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