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それを見た雪斗は溜め息を漏らすとフェンの頭を撫でた。
雪斗の行動に一同驚いた様子だった。
そして一分位だろうかフェンの頭を撫でた手で、そのまま腰に帯剣している剣を引き抜いた。
雪斗「フェン、今の話を聞いていようが、いまいが関係無い。お前が此処にいるのが事実だ。」
そして剣先をフェンに向け言う言葉に皆はハッと気が付いた。
フェンは雪斗から間者扱いされている事を。
リリー「フェン、今の話を聞いていたのか?」
リリーの言葉に首を左右に振るフェン。
だがそれで話を聞いているかも知れないという事実は消えない。
フェン「私は好きな男に間者扱いされて死ぬの?」
フェンの弱々しい問い掛けに雪斗は静かに頷いた。
頷く雪斗に取り乱す事も無く、フェンは己のタイミングの悪さを恨んだ。
フェン「分かりました。最後は貴方の手で…。」
そう言うと雪斗から数歩後ろに下がると、静かに目を閉じた。
雪斗「その潔さ良し。」
そう言うと雪斗は剣を振るったのであった。
中々来ない痛みにフェンは意をけして目を開けた。
三人は、フェンを見て微笑えんでいた。
リリーが無言で自分の足下を指差した。
そこには、金髪の髪が大量に落ちていた。
最初は、何故髪の毛がと思ったフェンだが首回りが妙に冷えるなと思い、手をやるとある筈の物が無かった。
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