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体力勝負で負けるとは思わないが、怒らせると本当に口をきいてくれなくなってしまう。 長いつきあいで、そのへんの加減は心得たものだ。 「ちぇ、つまんないヤツぅ。 ノリが悪いんだから」 ぶーぶーと口をとがらせた白蘭に、正一が冷たく言い放った。 「ノリが悪くて結構、だいたい人の家に泊まりこんで何が楽しいんです? 学生じゃあるまいし、夜中に枕投げとか告白大会とかする気ですか? バカバカしい」 吐き捨てるようなセリフだったが、白蘭にはどこか魅力的だったらしい。 とたんに瞳を輝かせた。
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