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これで天パだったら、某よろず屋さんの親戚かと思うところだ。 それはさておき、麦茶をひと口飲んだ白蘭が腕を組みながら言う。 「正チャンてば、いつも忙しい忙しいばっかりで遊んでくれないよね。 何がそんなに忙しいのさ、もう放課後なのに」 このお気楽なセリフに、正一のこめかみの血管がピリキ腫れ上がった。 これまでギリギリの線で抑えていたものが、一気にはじけた。 「なにフザけたこと言ってるんですか! 明日の授業の準備にテストの採点、部活の指導とやることは山ほどあるんですから。 お気楽な理事長のアナタとは違うんです!」 「ふーん、大変だね」 まるで他人事のようなセリフに ――まぁ実際、他人事っちゃ他人事なんだけど―― 正一はますます激怒し、デスクにばぁんと両手を付いた。
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