序章:祈願

3/20
前へ
/431ページ
次へ
「ん?」 ウルは整理している途中、ふと窓の外に目をやった。 「ほう…」 窓からは鮮やかな白が見える。 どうやら白い花が大量に咲いているようだ。 ウルは机の上にある紙をとる。 「あそこもここの土地か… 家が小さい癖にやたらと高かったのは土地が広いからか」 ウルは家が小さい事に少し不満をこぼしたが、窓から見えるその白い花畑を見てその不満は別にある事を考えていた。 「綺麗…ではあるが…」 確かに綺麗だ…だが、窓から見えるこの光景にウルは何故か違和感を感じていた。 「まあ、いいか…」 ウルは作業を再開した。 明日、転入する学校の制服を確認し、教材をバッグに入れ、本棚には趣味の本を。 ある程度、落ち着いた所でウルは眠りについた。
/431ページ

最初のコメントを投稿しよう!

522人が本棚に入れています
本棚に追加