序章:祈願

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「ちょっと~!そこの君~!」 「……」 「君ってば!」 走る音が止まると同時にウルは肩を叩かれた。 「ん?オレか?」 振り返ると、そこには同じ制服を着た155cm程の少女がいた。 「そうよ!何でそんなにのんびりしてるの!?」 「のんびり…と言われても…」 「急がないと遅刻だよ!入学して一月ちょっとで遅刻なんて嫌でしょ!?」 「この時間で遅刻はないだろう。 ここから歩いて十五分程だろうし、まだ八時だぞ?」 ウルが腕時計を見ながらそう言うと、少女は手帳のようなものを取り出した。 「あれ…?」 その手帳を覗き込むと、電子時計が内蔵されているのか、はっきり八時とデシタルで表記されていた。 「……」 「……」 「あ、あれ…?」
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