序章:祈願

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「いや~!まさか家の時計が止まってたなんて思わなかったよ~!」 勘違いに気付いた少女とウルは並んで学校へと向かっている。 金色の長髪を揺らしながら歩く少女をウルはちらちら見ていた。 「ん?何?」 「いや、たいした事じゃないんだが…」 ウルは少女の腰にかかっている気になっている物を見る。 「生徒手帳がどうかしたの?」 「生徒手帳と言うのか…」 ウルがそう口にすると、少女は不思議そうな顔をする。 「学院の生徒なら入学式が終わった後に配られたでしょ?」 「あ、いや、オレは今日から学院に通うんだ、こっちに来るのが手違いで遅れてしまってな」 「あ、そうなんだ?じゃあ手帳もらったら、番号教えてよ、これ電話とメールも出来るからさ」 ウルはああ、と適当に返事をすると、視線を前に戻した。 「ウル」 「え?」 「名前」 「あ、そういえば名前言ってなかったね! 私は『レミィ』!よろしくね!」
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