新月森と奇跡の花

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鬱蒼と木々が生い茂る『新月森』には近寄ってはいけない。 そんな言い伝えのある森の中に、一人の小さくて可愛いらしい女の子が入って行きました。 暗い暗い森の中を灯りも無しに歩いて行く彼女は無表情で、ちょっとした物音ではそれを崩す事もありません。 ズンズンズンズン女の子は森の奥へと歩いて行きます。 すると暫く歩いたところで、何処からともなく声が聞こえて来ました。 「♪新月森は   綺麗なところ   新月森は   いいところ   お菓子の家に   綺麗な薔薇園   綺麗なお化けに   可愛い蝶々   新月森は   綺麗なところ   新月森は   いいところ♪」 女の子は辺りをキョロキョロ見回しましたが、辺りには誰もいませんでした。 「…気のせい?」 暗い森の中で幻聴が聞こえたのだと、女の子は特に気にもする事無く進もうとしました。 その時です。
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