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暫く歩いていましたが、一向に木や草しかありません。上下左右を確認しながら、花を探して歩き続けました。
ガサガサガサガサガサガサ ガサガサ ガサガサガサガ サ
歩き疲れたケイティは、ついに立ち止まってしまいました。
『案内人は
気まぐれ屋さん
右に行くのか
左に行くのか
花に行くのか
お化けに行くのか
ぜーんぶ全部
彼次第』
ふと言い伝えの歌の歌詞を思い出し、ケイティは段々と不安になってきました。
引き返そうにももう帰り道も分かりません。
途方に暮れている彼女の鼻に、なんだかとてもいい匂いが流れ込んで来ました。
甘い甘いその匂いは、お母さんの焼いてくれたケーキみたいで、それに釣られる様にケイティはフラフラと匂いの方へと歩いて行きます。
ガサガサガサ歩いて行くと、壁も屋根も、窓硝子も煙突も、全部が全部お菓子でできた美味しそうなお家が立っていました。
どうやら、甘ーい匂いは此処から出ていた様です。
お腹が空いていたケイティでしたが彼女は疑り深いので、お菓子の家には手を出さずまた歩き始めました。
すると―…
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