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「やあやあやあ、お嬢さん。またお会いしましたね」
現れたのは案内人のクローバー。
「道を間違えていますよ、望みの物への道のヒントはあの中に」
彼は薄ら笑いながら、お菓子の家を指差しました。
「分かりました」
ペコリとお辞儀をし、お礼を言ってケイティはお菓子の家へと向かいました。
それを見送るクローバーは、思い出した様に彼女に話しかけました。
「お待ちなさい、1つ言い忘れていましたが、森のお化けは煩い子供が大嫌いです。
何があっても決して叫んだり、泣いたりしてはいけません。
怒った彼女にペロリと食べられてしまいますよ」
薄ら笑いのクローバーは面白そうに言いました。
「分かりました。案内人さん、ありがとう」
振り返りお礼を言うとまた、ケイティは彼に背を向けて歩き始めました。
お菓子の家の板チョコドアをトントントンと叩きながら、
「ごめん下さい」
と何度か声を掛けてみましたが、返事が返ってくる気配はありません。
クローバーに助言を貰おうと振り向くと、彼はまた消えてしまった様で、何処にも姿はありませんでした。
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