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仕方なくドアに向き直ると、飴細工の綺麗なドアノブを回してみました。
ガチャッ
音を立ててドアが開いたので、奥に入ってみる事にしました。
「…お邪魔します」
一言声を掛けて家の中を見回すと、中の家具も全てお菓子で出来ています。
クッキーでできた机や椅子に、マシュマロのベッド、飴でできた蛇口を捻れば、七色の甘い匂いのジュースが出てきました。
でも、何処を探してもヒントなんか見つからないし、住んでる人も出てきません。
ケイティが蛇口を閉めて悩んでいると、何処からともなく、
…ズルリ…ズルリ…
と何かが地を這うような音が聞こえて来ました。
キョロキョロと辺りを見渡しますが、何処にも何も動いてはいません。
ふとケイティはそういえば良く見ていなかった暖炉の方へと目をやりました。
パンで作られた暖炉の中には、パチパチと大きな炎が燃えています。
炎が嫌いなケイティは顔をしかめながらその暖炉を見つめます。
すると、燃え盛る炎の中で何かが動いているのを見つけました。
…ズルリ…ズルリ
どうやらこの音は暖炉の中から聞こえていたようです。
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