卒業♪

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
君と僕は同じ高校で 家も近所だった ちっちゃい頃から 幼なじみの仲だった 共に笑い 哀しみ ケンカも しながら 僕たちは 少しづつ オトナヘ向かっていた 君は昔から唄う事が好きだったよね 小学生の頃からピアノを弾いていたよね 一緒に僕も口ずさむと 何故か寂しかった 音色に流されながら 君への思いは何処へ 流れていくんだろうか?それで良かった 夢を叶えて 憧れの世界へ君を贈りたかった 僕は遠くから 君を見守ってるから 高校三年の最後の夏休み 二人で出かけた 静かな河川敷で 寝転び君が口笛吹いた 吹けない僕もつられて吹いた 卒業したら 『東京』行くんだと囁く君 まだ 聞きたくなかったけど 『頑張って』 とそれしか言えなかった 必ず君は夢を叶えられる 僕は確信してる 君への思いは 心にしまっておくから 桜の咲くころ 二人は 別々の道を行くんだ 君は知ってたんだろう 僕が好きだって事 でも知らない振りしてくれたんだね 今余計な事で君を困らせたくないから 卒業の日 確かに桜は舞い散っていたね 二人に祝福してるのだろうか?僕は違う 別れて行く二人にはふさわしくないから 君が『おめでとう』と僕に言った・・・ 僕が『ありがとう』と君に言った・・・ 『来月行くから』君の言葉の重みを感じ 『頑張って』としか言えない僕だった 田舎の風景と都会の風景が頭をよぎる 君は都会が似合うよね 心で思った 夢をきっと きっと叶えてくるんだぞって 心で思った・・だけど『おめでとう』って 最後まで言えなかった。その時揺さぶられた心は 今じゃ ハカナイ思い出だった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!