終わらない孤独

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カーテンの隙間から見える空はこんなに明るいというのに。 アスファルトに激しく照り返す日差しの中、汗まみれで駆け抜ける少年たちはこんなにも無邪気だというのに。 なんの明かりもない。夏のにおいを含んだ空気は湿気を帯びた汚らしい泥水のように感じる。 時計の単調な音だけがこの部屋の時間の経過を告げていた。 俺は写真の束を手に取り、印刷面が擦り切れて白っぽくなっている写真をただ黙々と眺めていた。 いつも俺らは二人だった。
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